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「…なら、何故」
「主を休ませる為だ。精神的にも体力的にも、主は限界だった。いくら、貴様等人間とは一線をかいているとはいえ、主も人間だ。貴様も、それを承知だったはずだが?」
我の問いかけに、男は唇を噛む。
ふん。
自傷に駆られたとて、我が主の痛みが貴様に解るわけなかろうが。
「それで良く、主を守るなどと言えたものだな。傷つけているだけではないか。良いか? 貴様は邪魔をするな。我が主が目覚めるまでな」
「……シャルはどこにいる」
「さてな。自分で探せ、たわけ者が」
我は奴に背を向け、虫けら共の所に戻る。
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