舞う花と鞭と

25/26
前へ
/1480ページ
次へ
「え…?」 こんなに弱々しい声…やめてよ。 あたしも不安になるじゃない。 彼の背中を撫でていると 「それでも…俺は、お前の傍にいていいか…?」 「当たり前なこと、言わないでよ…ナズナ以外、やだよぉ…」 彼の弱気な声に少し離れて服を掴み、揺さぶる。 目の前が潤み出し、泣き出してしまった。 しばらく二人で泣いていたが、どちらからともなく笑い出す。 「ナズナが泣くとこ、初めて見たよ」 「お前はいつも泣きっぱなしだな」 「いつもじゃないもん❗」 いつも通りのあたし達。 外を見ると、軽く薄暗くなっていた。
/1480ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1007人が本棚に入れています
本棚に追加