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「で、どこに向かってるのこれ?」
「さて…。僕らも、貴女を連れてこいとしか聞かされなかったものでして」
「あー、もー。用があるなら、こっちからいくっつーのにっ‼ 馬車って、お尻痛くなるから嫌いなのよね…」
指を鳴らし、皮張りの硬い椅子をフカフカの素材に変える。
尚且つ、振動が来ないように調節した。
「シャルの魔法は不思議ですね」
「まぁ、特殊だしね」
チートだから、とは言わないが。
馬車を走らせて数時間後、王都に着いた。
だが、城には向かわず別方向へと走っている。
「…城にいないの、ナズナ?」
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