貴方のためなら

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ユキヤに問いかけるが、彼は微笑むだけで何も言わない。 オリヴィエに目を向けるけど、彼女も苦笑するきりで喋らなかった。 ナズナじゃなくて、あたし自身に何か起こるんじゃ…え、まさかあたし処刑される? いやいや、まさかまさか。 ネガティブな発想に、段々と顔を下に向けていく。 「あ、着いたようですよ」 ユキヤのその一言で、顔を勢いよくあげた。 窓の外に見えたのは、お城と見紛うかのような巨大さと、頂上に配された十字架。 質素でありながら、堅牢さも称えた建物。 「教会…?」
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