貴方のためなら

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「……あぁ」 軽く赤くなった頬を隠しもせず、彼はあたしと一緒に歩き、祭壇の前へと着いた。 「司祭長、アドルフ・カジミール・ジルベルトが、二人の式を執り行いたいと思います」 神父風の年配男性が、祭壇の前に立ち聖書を開く。 「汝、ナズナ・ガデランダ・ブリリアント。貴方はここに居るシャルロットを、病めるときも、健やかなる時も、富めるときも、貧しき時も。妻として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」 「誓います」 ナズナの言葉に、涙腺が崩壊した。 あぁ、あたしはなんて。
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