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「王家に入るんだから、これくらい平気」
「ありがとう、シャル」
彼が先に乗り、あたしの手を引っ張って乗せてくれた。
着席するとすぐに馬車が動きだし、街の方へと進路を進めていく。
「ねぇ、ナズナ? 見世物の後、市中引き回しの刑に処される人って、こんな気分だったのかしらね?」
通りから、国民が手を振ってくる。
それらにあたし達も手を振り返した。
「シャル、考えすぎだろう…」
「はっはっは…早く、引きこもりたい…」
作り笑いで手を振るあたしに、ナズナは苦笑いを浮かべた。
ようやく街を一周して、城の前に到着する。
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