貴方のためなら

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叙情的に訳したある文学者は、こう言ったのである。 月が綺麗ですね、と。 そして、ある翻訳家はこう訳した。 愛しているではなく、死んでもいい、と。 彼にそれを言うと、窓の外の月を見てからあたしを見つめ、言う。 「俺も、シャルのためなら死んでもいい」 「馬鹿…////」 遊戯は朝方まで続いた。 あたしが目を覚ましたのは、もうお昼近くになってからの事だった。 「ん…ぁ…」 目を開くと、逞しい胸板と規則正しい呼吸が聞こえてくる。 顔をあげたら、瞼を閉じているナズナの顔。 朝方までの事を思いだし、一気に顔が真っ赤になる。
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