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「それは、俺の台詞だと思うぞ?」
手を繋ぎ陣をくぐると、きらびやかな装飾品があたし達を出迎える。
悪趣味としか言いようがない玉座に、若い男が座っていた。
服はアジアン風で、くすんだ金髪を背に流し、頬杖をついてニタリと笑っている。
「やぁ…誰かと思えば、ブリリアント家のナズナくんではないか」
「アレクシス…」
「ナズナ、知り合い?」
男の笑顔に、寒気を覚える。
あたしは、自分の体を抱き締めるように両腕を擦った。
「君は誰だい? 見ない顔だね?」
「初めまして。ナズナの妻、シャルロットと申します」
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