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「ところで、クロはこんなとこで何してんだ?」
「え? あ……その……」
バツが悪そうに顔を伏せる。
その様子から察知して、これはテンプレ的な展開じゃないか?
闘悟はそう思い、思ったことを口にすることにした。
「ん~と、クロって貴族?」
その時、軽く彼女の肩に動きが見られた。
「……もしかして、王族?」
今度は大きく体が動く。
あわあわと動揺する。
マジか……ていうか王族が何でこんなところで一人なんだ?
「……も、申し訳ありませんです」
「な、何が?」
クロはフードを取って顔をハッキリ見せる。
青く綺麗な髪の毛が現れる。
見たところ十四歳くらい。
目がパッチリしていて、とても愛嬌(あいきょう)のある顔立ちだ。
それと、どことなく気品を感じさせる。
さすがは王族かな?
「じ、実は私の本当の名前はクィルネス・フィル・グレイハーツなのです」
「……はあ」
「そ、それだけですか?」
「え? それだけって?」
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