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『栄養不足兄さん』俺は彼を、脳内でそう呼んだ。
「栄養不足兄さんは」
キラリが俺の脳内で産まれた呼び名を口にしたものだから驚いた。て言うか、初対面の先輩に、なんでそんな事を言えてしまうんだ。KGS卒業後もキラリの鉄の心臓は健在のようだ。
「宮本」栄養不足兄さんが苦笑して、言う。「僕、宮本ゆうねん」
「失礼」キラリがウサギ耳を縦振りして、頭を下げる。
「俺達、こないだKGSを卒業したばかりなんだけど、宮本兄さんに『ウィナーズサークル』の事を教えてほしいんです!」
「あぁ」と、宮本兄さんが頷く。キラリの無礼な振るまいに、宮本兄さんが怒り出すのではないか、とハラハラしたが、宮本兄さんは穏やかな表情だ。温厚な人のようで、ホッとした。
「君、22期か?」宮本兄さんが言うと、キラリは俺達を指差した。
「俺だけじゃないよ。後ろに居る、みんなも22期」
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