序章~2009年12月。北の大地で……

3/4
前へ
/155ページ
次へ
 俺は空を見上げた。灰色の、ぶ厚い雲間から、柏餅みたいな雪がひっきりなしに舞い落ちてくる。  俺はどうや? あの頃と比べて、成長出来たかな?  毎年、友にこの質問をするのがお決まりだ。友の住まいはまだ先。我ながら気が早い。と、苦笑する。  人通り、車通り、共に少ない田舎道。軒を連ねる民家の前で、何人かの人達が、白い息を吐きながら雪かきをしている。
/155ページ

最初のコメントを投稿しよう!

90人が本棚に入れています
本棚に追加