プロポーズ

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 side:M ****** まったく…、冗談じゃないぞ、 俺だけのものにしよう…、って矢先に、ライバルを増やすような格好で登場するとは…。 確かに今日これからのことを考えた場合、彼女の格好は目的に合致した、社会人定番のスタイル…、非の打ち所がない。 …が、 彼女の場合、さらに非の打ち所のない顔とスタイルが加わって、完璧超絶美人に仕上がってしまうからタチが悪い。 それに、彼女は黒がよく似合う。 あの時のパーティードレスも黒、 本社総合受付の制服も黒、 今にして思えば、黒は彼女の美しさと女らしさを、より一層際立たせる色だった…、 そしてそれは、おそらく本人も自覚してたのであろう、普段は意図的に、黒い服を避けていた…。 何か隠せる方法はないか…、 咄嗟に思い付いたのは『運転する時は眼鏡をかける』と大久保が言ってた、…眼鏡…、 試してみる価値はある…、と思ってたら、運転を要求されたと勘違いした彼女が、頼むより先に眼鏡をかけた姿で現れた。 ……うん、 かけることで、彼女本来の美しさを少しは隠すことができる…、 …が、 彼女には理解不能かもしれないが、ビシッとした黒いタイトスカートのスーツに眼鏡という、所謂『秘書スタイル』ってヤツは、看護師やCAの制服姿と同様、男がそそられる姿でもあるからなぁ…。
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