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まったく…、冗談じゃないぞ、
俺だけのものにしよう…、って矢先に、ライバルを増やすような格好で登場するとは…。
確かに今日これからのことを考えた場合、彼女の格好は目的に合致した、社会人定番のスタイル…、非の打ち所がない。
…が、
彼女の場合、さらに非の打ち所のない顔とスタイルが加わって、完璧超絶美人に仕上がってしまうからタチが悪い。
それに、彼女は黒がよく似合う。
あの時のパーティードレスも黒、
本社総合受付の制服も黒、
今にして思えば、黒は彼女の美しさと女らしさを、より一層際立たせる色だった…、
そしてそれは、おそらく本人も自覚してたのであろう、普段は意図的に、黒い服を避けていた…。
何か隠せる方法はないか…、
咄嗟に思い付いたのは『運転する時は眼鏡をかける』と大久保が言ってた、…眼鏡…、
試してみる価値はある…、と思ってたら、運転を要求されたと勘違いした彼女が、頼むより先に眼鏡をかけた姿で現れた。
……うん、
かけることで、彼女本来の美しさを少しは隠すことができる…、
…が、
彼女には理解不能かもしれないが、ビシッとした黒いタイトスカートのスーツに眼鏡という、所謂『秘書スタイル』ってヤツは、看護師やCAの制服姿と同様、男がそそられる姿でもあるからなぁ…。
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