かりそめの恋人

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壁紙や床材の他、キッチン、便器、洗面台、照明機器、造り付け家具やカーテンに至るまで、居住空間に設置するもの全てを担当するのがインテリアコーディネーターの仕事。 お客様の好みを把握するのは勿論だか、言われるがまま、パーツごとにバラバラな要望を受け入れると、全体的にアンバランスな印象の家にもなり兼ねない。 そのため、完成後に設置予定の家具のことも踏まえたトータルアドバイスをしつつ、お客様と一緒に設備の1つ1つを決めていく。 …が、家の外観と違い、内部は個々に空間が分断されているため、その分問題も多くなる…、 ……特にお客様の家族内で。 夫婦の趣向が全く一致しなかったり、家族の人数が多く、それぞれが主張を譲らない場合などは大変だ。 極端な例をあげると……、 玄関はご主人好みの英国風、 キッチンは奥さん好みのカントリー風、 浴室はお祖父さん好みの和風、 リビングはお祖母さん好みのロココ調、 息子さんの部屋はスタイリッシュモダン、 娘さんの部屋はメルヘン、 ……みたいな、統一感のない家が出来上がる可能性があるからだ。
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