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にっこりと微笑み返しをした彼は、自分のステーキに視線を落としナイフを入れる。
その様子を見た私は、さっきの返事で間違いなかったと安堵しつつ、次のひと口分を切り分け、再び大口を開けた瞬間…、
「で?返事は?」
「は?」
返事なら…、
……したじゃん、美味しいですね、って。
え?違うの?
何の返事?
別件?
その前に何話してたっけ…、
仕事のことだっけ?
いや、公開直前の映画の話だったかな………
再びフォークにお肉をぶっ刺したまま、大口開けっ放し状態でフリーズ中の私に、ナイフとフォークから手を離した彼は、私の目を見据えハッキリと語り出す。
「…だから、プロポーズしたんだけど、その返事は?」
「………」
えぇぇぇーーーーーーーーーっっ!!!?
*****
ここから2人の、止まっていた時間が加速する………
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