プロポーズ

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「そうか、…なら、その眼鏡も持ってこい、一応…、な」 挨拶回りには課長の車を使うが、 ……私に運転させるつもりなんだろうか…? 営業車を使うなら、部下の私が運転すべきところだが、たとえ課長の車でも、やはり私がすべきことなのか? 人の車は慣れるまで少し戸惑うが、運転は好きだし下手でもない。 それに、SUV車には興味がある、 運転するのも悪くない…。 自分の席へ戻り、PCのチェックと数件の連絡を済ませた私は、待ち合わせの駐車場へ向かった……。 「あ…れ?…私が運転するんじゃなかったんですか?」 眼鏡をかけ、スタンバイOKの私をよそに、課長はスタスタと運転席へ向かって歩いて行く。 「ん?…ま、いいから乗れ」 「は…い」 ……? じゃあ、何のための眼鏡なのよ? と、思いながらも、取り敢えず助手席のドアを開けた。 先に運転席へ乗り込んでた課長は、そんな私を見てクスッと笑い、 「ほら、あっち向いてるから、早く乗れよ、ルカちゃん」 「ンな…っ…!?」 しっ…、しまったぁーっ! 失敗したっ、やっぱりパンツスーツにすべきだった…、 課長の車に『乗る』ってことにまで、気が回らなかったー! パーティーの夜の事を引き合いに出し、からかう気満々の課長…。 ちくしょーっ! これじゃ~乗るたびにイジられること、決定じゃないのっ!
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