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♪白ヤギさんからお手紙着いた
黒ヤギさんたら読まずに食べた
そしたら黒ヤギ苦しみ出して
泡を吹いて床に倒れた
「閣下、こ、これは!」
精悍そうな青年が、大きな椅子に腰かけた初老の男に言う。金色に輝く広い部屋は、混乱とざわめきであふれていた。
「うむ、時が来たようじゃな」
そう言うと初老の男は、立派な髭を揺らし、立ち上がった。
「これは宣戦布告である! 皆の者、前進せよ!」
「「「「「おーーーーーーーーー!!」」」」」
その勢いのまま、部屋に居た大勢の兵士たちが、蜘蛛の子を散らすように、命を散らしていった。
「閣下、このままでは」
「…どうやら、わしが行くしかないようじゃな」
その精悍な王子と初老の国王も部屋から去り、そして二度と戻って来ることはなかった。
その部屋には、哀れに横たわる黒ヤギだけが残された。
♪黒ヤギさんは立ち上がって
水に入るとインクが溶けた
そしたら青ヤギさんに変わって
青ヤギさんちへ帰って行った
世界は青ヤギのものになった。
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