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「ちくしょう!!」
雨のなか男は走った。多分今まで生きてきた中でこんなに走った事は無いだろう...男は走りながらそう思った。
「ハァ...ハァ...どこかに休めるところは無いのか...」
男の体力も限界に近づいていた。しかし運よく小屋を見つけた。
「ハァ...あの小屋で休もう...」
男は小屋の取手に手をかけた...扉を開くとギギギギ...と音をたてた。
「 誰もいない...みたいだな...」
男が扉を閉めるとまたギギギギ...と音をたてた。
男は床にドカッと座るとズボンのポケットに手を突っ込んでタバコを探した。しかし雨のなか男は走ったためタバコをどこかに落としたらしい。
「チッ...今日は最悪な日だな...時給1万のバイトがあるって聞いて来たのにへんなゲームをやらされて走らされておまけにタバコまで落とすとは...今日はほんとについてないな...」
男は小屋の窓から外を見た。
「こんな雨じゃまだ歩けそうに...なんだあれ...」
雨が降ってるせいで霧が視界を遮りうまく見えないが確かになにかが動いてる。
「霧でよく見えないな... 」
男は目を凝らしてよく見た。その瞬間男の体は一瞬にして凍りついた。そこには“鬼”がいた。
男の心臓は走っている時よりさらに速くなった。
「マジかよ...あそこに鬼がいるなんて...とにかくこの小屋から出ないと...」
男が小屋から出ようとするとドアが開いた...ギギギギ...と音をたてて...
男の心臓は今にも破裂しそうになっていた...
しかし誰も現れる様子はなかった。
「ただの風だ...風のせいで扉が開いたんだ...」
男は窓から外をもう一度見た。
「 鬼がいない...どこかに行ったのか?いやそれよりもこの小屋から出よう...雨もやんでるみたいだし。」
そう言って男は扉を開いた。
ギギギギ...シュッ...ボトッ
「んっ?なんだ今の音は?それに今何か落ちたな...」
男が地面を見るとそこにはさっきまで自分の左腕についてた手だった。
「 えっ?う、ウワァァァア!?お、俺の左手があァぁ...いてぇいてぇよ..クソッ...」
男がのたうち回っていると目の前にナタを持った鬼が現れた。
「た、助け..」
鬼は男の首をナタで切り落とした。その瞬間男の首は体から離れた。
数分間男の体は痙攣したもののすぐにおさまった。その後鬼は男の首を持ったままどこかに消えた...
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