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すると、そこには、何故か広い草原が広がっていた。
そして、その草原の視界で見えるギリギリの辺りに、その店は立っていた。
建物なのだから、「建っていた」が、正しいはずである。
しかし、俺が見て感じたのは、まさに、そこに「立っていた」だったのだ!
俺は、十数分かけて店の前にたどり着いた。
一体ここはどんな店なのだろう?
俺は胸を膨らませながら、思い切って、ドアを開けた。
カランコロン。
客の入店を知らせるベルの音が、店内に響き渡った。
しかし、店員らしき者は、誰も出て来ない。
店の壁にあるメニューを何気なく見てみると、
そこには見慣れない文字で、
コーヒー レギュラー 一杯 170φ(ファイ)と
書いてあった。
どこの国の通貨だ?
持ち合わせがないぞ!
どうしようか?
そう思っていたら、カウンターの内側に浮かんでいた赤い風船が、こちらに流されて来た。
すると、突然、頭の中に声が鳴り響き、「初めてのお客様ですね?今日は一杯無料でサービスしますよ」と言った。
「私は『赤い丸』と申します。この店のマスターをしております」
俺には信じられない光景が目の前で繰り広げられていた。
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