教科書12ページ ~とある昔話~

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その言葉に、揺れ動く王様の心を見透かしたように続けて老人は言います。 「そして 、心優しき王様が星の神になることによって 、それは王国に留まらず すべての生きとし生けるものの 希望と幸せになるのです。」 …ッ!! 自身の事よりも他人の事を常に優先して考える王様。 その王様の心に 老人の言葉はどれだけ響いた事か…。 何より、 この王国は王様の努力によって争いがなく、 平和で豊かですが 他国…いや 、恐らくこの星全体は戦禍の炎に包まれています。 自国の領土を拡大するために他国に侵略し 、人々は殺し合いを続けています。 男は戦争に駆り出され、 女は慰安婦にされ、老人と子供は飢えで死に 酷い土地では 、飢えをしのぐ為に、 親が子を 、子が親を、 妻が夫を 、夫が妻を 、家族すべてを「食す」と 道に横たわった死体を…その光景は凄惨を極め地獄と呼ぶにふさわしいモノでした。
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