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「……あっ、領主、さま、ぁ」 赦しを乞うように伸ばされた手を縫い付けると、領主と呼ばれた男は女の艶やかな金髪を撫で付けながら薄く笑った。 月明かりを反射して煌めく男の長い髪は桜色をしていた。 女が不安そうに男を見つめると、男は女にぐっと顔を近付け耳許で囁いた。 「お前も違う」 何のことを言われているのか分からないのだろうか、女は目を見開いて硬直した。 男は上体を起こすと表情が消えていた。 酷く冷たい硝子玉のような双眼に見つめられ女は小さく悲鳴を上げた。 男は女の腰を持ち上げ激しく突き上げる。 乱暴なその行為はエスカレートしていき、やがて女は恐怖と快楽の狭間に堕ちていった。 脱け殻のようにベッドに転がる女を一瞥し、男は衣服を整えた。 「おい、こいつはもう用無しだ。片付けておけ。」 暗い部屋で男がそう呟くと、女の周りを照していた月明かりは闇に包まれた。 男が部屋を出たあと闇はじわりじわりと消えていき元のように月明かりがベッドを煌々と照し付け、女の影すら消してしまった。 数日後、近隣の町で大金を抱えて飛び降りた女がいた。 女は艶やかな金髪だった。
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