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「……前触れが欲しい…」
「考えとくよ。ところで、真理はあいつの顔、見ないのか?」
「見て…るよ? 照れくさいからあんまり見れないけど…」
2年の時から遠くで見ていたクセが抜けなくて、未だに彼の姿を探しては見つめてしまう。
だから、昨日のように至近距離だとうまく見れなくて……彼の手とか服とかばかり目で追っている。
「ちゃんと目を合わせて話してみろよ」
「…うっ……」
「いろいろわかると思うけど。…なんなら練習してみる?」
「練習?」
「そっ。本人もどきで」
にっかりと笑顔で告げられた。
「…もどき?」
「うん。ま、今夜楽しみにしてて」
そういい残してフッと姿を消す。
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