死にたがりの告白

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「君は今、幸せかい?」 学校の屋上、よく晴れたある日のことだった。 親友兼悪友のソイツが、そう問うてきたのは。 「……はぁ?」 出たのは、呆れ返ったような声だった。 しかし、それは想定内のようで、親友のソイツは空を仰いだ。 「僕は今、幸せだ」 ふわりと、今までに見たことがないほど柔らかく笑ったソイツに、目を見開いた。 「―――…でも、」 そう思ったのも一瞬、悲しそうに伏せられた瞳に、いつもより情緒不安定だな。と思った。 それなのに、どこか幸福そうで、違和感に眉を寄せた。
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