それでも愛してる。

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もう一度味見をするとなかなかの味になっていた。 「旨いじゃん」 思わず自画自賛してしまった。 スマートフォンで時間を見る。 7時過ぎ。 閉店まで1時間はある。 その後は片付けがあって…。 帰ってくるのはきっと9時頃だ。 まだ2時間も待たなくてはいけない。 張り切って作ったのはいいが、食べる頃にはパスタがのびている…。 (何やってんだろ…) 優は小さくため息を吐いた。 野菜くずをゴミ箱に捨てまな板や包丁を洗って片付けた。 ラグに腰を下ろしてテレビをつける。 気に入っている芸人が出ている番組を見てもちっとも面白くない。 優は膝を抱えながらじっとその番組を見続けた。 早く時間が過ぎないか。 そればっかり思って時々時間を確認する。 そうこうしているうちに8時になり8時30分になった。 そうなると優は立ち上がり、パスタの入ったフライパンに火をつけ、お茶を飲むコップをテープルに並べる。 食器棚からパスタ皿を探したがそんな大皿が見つからず仕方なくどんぶりにパスタを盛ることにした。
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