それでも愛してる。

145/158
前へ
/161ページ
次へ
「すごいなぁ~、旨そうだ」 山越は嬉しそうな声をあげた。 「温め直しますね」 「いや良いよ~。もう腹ペコ…。すぐに食べたいからこのままでじゅうぶん」 さぁ~座ろう。と優をエスコートして席に座らせた。 「さぁ~パスタに合う飲み物ってな~んだ?」 優は軽く座り直してキッチンに向かう山越を目で追った。 「パスタに合うのはワイン?それともビールかな?」 山越はニコニコしながら振り向くと、 「正解、ワインを買ってきたよ~それからチーズに生ハム…あとは柿ピーにスルメ」 テープルにワインを置いてもう一度キッチンに戻り適当な皿にチーズと生ハムを盛り付けた。 「最後のはただのつまみじゃん」 チョイスが店長らしいと、優は呆れながら笑った。 「これを買ってたから帰りが少し遅くなっちゃたんだ…。焦ってたせいか柿ピーがかごに入ってた」 そう言って笑いながらワインのコルクを器用にあける。 「はいはい…」 ワイングラスがないから普通のグラスにワインを注いでもらった。 「じゃあ頂こうか」 向かいに座った山越がニコッと笑う。 優は「いただきます」と小さく呟いてさっそくワインに口をつけた。 甘くフルーティーな香りだけどしっかりとし辛口の白ワインだ。 あまりワインは飲み慣れてないけれど、これなら飲めると思った。
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!

180人が本棚に入れています
本棚に追加