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山越は「美味しいよ~」と、褒めてあっという間にパスタを平らげてしまった。
優は嬉しくて頬が緩む。
「今日は休ませてもらいありがとうございました」
頃合いを見て優は休んだことに礼を言った。
「何を言ってるのさ~。休むように言ったのは俺だよ~」
「だって朝早くからこんな遅くまで…」
手にしたフォークをくるくる回して俯いた。
たいしたことないさ。そう笑う山越が、
「そうだ、優くん明日の朝、俺と花市場に行くかい?」
山越は良いことを思い付いたように提案してきた。
「えっ一緒にいいんですか?」
一度は行ってみたいと思っていた優は嬉しくて少し前のめりになった。
「うん行こう」
山越は眼鏡のリムをくっと持ち上げニコッと目 を細めた。
「今日よりは遅く出るから5時30分頃家を出よう」
「あっでも店の準備が遅くなっちゃいます」
自分がついていけば開店準備が間に合わない…。
「大丈夫だよ~。店の都合により開店時間が午後1時からになります。って張り紙したから、それと配達も一緒に行こうね~」
ウキウキな顔で予定を話す山越を優は「なんか公私混同してますよ」と冗談に言うと、
「やっぱりそう思うかい?」
山越は柿ピーを指で遊ばせながら笑った。
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