それでも愛してる。

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山越に起こされ、身支度をしてアパートを出た。 近くの有料駐車場に車を停めたときいてそこまで歩いた。 山越の車ではなく配達にも使うバンが停められていた。 「じゃあ出発するよ~」 朝になったらいつもの店長だった。 一時間近く車で移動した。 花市場に着く。 市場のなかは多くの花でいっぱいに並んでいた。 いろんな香りで市場全体に広がっている。 「すごい…」 優は呟くと、 「好きなのを選ぶといいよ」 山越はそっと優に言った。 「えっでも…」 花の買い方も知らない。それに個人で買う訳じゃない。 そんなの無理だ。と思いながら優は山越の後を着いていく。 定番の花から、物珍しいのまで様々だ。 優が見て名前のわからないのもある。 山越は出荷者に話しかけ何かを聞いているが優には話がわからない。 真剣に花をみる山越の表情を見つめる。 店では見せない顔だ。 この花市場は競りではなく出荷者との直接取引で買うシステムだと教えてくれた。
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