それでも愛してる。

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2時間ほど花を見て回り、買い取った花をバンに乗せた。 「気に入ったのなかったの?」 車に乗り込んで山越は聞いてきた。 「いろいろあって…。でも楽しかった。って言ったら遊んでるみたいですよね」 正直な感想に山越は「全然」と笑った。 朝食は近くのコンビニでパンを買って車のなかで食べた。 なんか気持ちがいい。 優はチラッと山越を見た。 2日間近くにいてくれた山越。 いろんな顔を見せてくれた。 どの顔も優の事を心配し優しく包み込んでくれた。 この先もずっと変わらないんだろうなと分かる。 山越はそんな人だ。 優の視線に気づいた山越が、 「どっかにご飯ついてる?」 なんて拍子抜けな事を聞いてくるから優は可笑しくて笑った。 (ありがとう…ありがとう店長) 優は食べ終わったパンの袋をグッと握った。
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