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何も答えない秋子を、押しのけて
みさとちゃんは
泣きながら、階段を駆け降りた。
「ママ~~!
怖いよぉ~~!」
みさとちゃんは
玄関を開けようとして
必死に力を入れたが、
玄関の扉は開かない。
「おねえちゃ~ん!
玄関が開かないよ…!!
おねえちゃん~!!!」
玄関から
必死に、秋子を呼ぶ声がする。
「みさと~!」
秋子は、
二階の窓から、声を張り上げて
必死で子供を捜す女を、眺めていた。
「ママ~!
みさと
ここにいるよ!!」
みさとちゃんは
玄関を、どんどん叩いていたが
二階に駆け上がって戻ってきた。
「おねえちゃん!
玄関あかないの!
ママ、迎えにきたから
みさと帰らなきゃ!!」
秋子は
にっこり笑って泣いているみさとちゃんを、抱きしめた。
狂ったように、泣いて喚いているみさとちゃんを更に強く抱きしめた。
「ママ~~~~!」
典明…
あなたと私の子供だよ。
少し典明に似てるかも
こうやって泣いているとこは
泣き虫な私に似たのかな?…
典明
今日は早く帰ってくるかな?…
今夜は典明の好きな、お鍋にしよう!
秋子は、泣きじゃくるみさとちゃんを抱きしめて
背中をとんとんと
優しく叩いた。
みさとちゃんの真似をして…
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