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凛「なら良かった、俺もどこも怪我してないよ」
祐二「そうか…ところで」
祐二は俺の後ろの方を見つめながらフッと笑い、視線を再び俺に戻す
祐二「……バスは大丈夫じゃ、無かったな」
凛「…え?」
後ろを振り返り、祐二の言葉を痛いほど理解した。
凛「し……しまったぁぁぁぁ!!」
いつの間にかバスは到着していたらしく、俺達が気付いた時にはもう遅かった。
ついさっき。たった今。まさに刹那か。
バスはプシューっという音とともに無情にも俺達を残しドアを閉める。
もう文字通り反射的に身体が動きだし、バスへと全力疾走
凛「待ってくれ~!!俺達を見捨てないでくれ~!!」
だが全力疾走とはいえ足で車に追いつけるわけも無く、バスはどんどん遠ざかり…ついには見えなくなってしまった
凛「うっわ~……初日から遅刻、確定っすか~」
祐二「こうなった以上は仕方ないだろう、歩いて行くか」
しょぼくれる俺の傍を歩く祐二はもはや余裕すら感じさせる雰囲気を出していた
凛「……祐二さん?なんでそんなに余裕なんすかね?」
もしかして何か考えがあるのか!?
俺達が遅刻しないで済むような画期的な作戦とか……!
祐二「諦めが肝心って言葉、知らないのか凛?」
こいつすでに目の前の問題放り投げていやがったぁぁぁ!!
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