葉山夏生

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      結果、受かるには受かったが補欠合格で浪人生活は免れた。 心機一転、親元を離れ独り暮しをする事になった俺は、何件もの不動産屋を渡り歩きようやく見つけた物件に心を踊らせた。大学からは少し遠いが、お洒落で真新しい外観と五万円ジャストという家賃に釣られ即決。 とうとう俺にも運が向いてきたと人目も憚(ハバカ)らずガッツポーズをしたのは言うまでもなく‥ ツイなかった今までを吹っ切る勢いで思う存分キャンパスライフを楽しもうと意気揚々引越しをした俺を待ち受けていたのは‥   引越し当日、いつもなら何かと障害があってもおかしくない荷造り期間、がしかしこれといった障害もなく引越し日和のピーカンに正直自分でも驚いてる。 ネガティブな俺は寝る前、これでもかというくらいの最悪なパターンを連想し、アパートが火事になってやしないか、配送車の故障で車が来ないだとか色々想像してしまい睡魔に襲われたのは空が白み始めてからだった。 .
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