葉山夏生

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        『あ~葉山さん、先日はありがとうございました』 「あの‥」 電話の相手はもちろん不動産屋。 説明されても納得するかは別だが、今俺の目の前で起こってるこの状況を説明して貰わなきゃ納得がいかない。 『いやー、天候にも恵まれて引越しには最適な天気ですね。そういえば今日入居でしたね?もう荷物は運びましたか?あ、葉山さん写真だけしか見てなかったんで今日始めて入るんですよね、今朝方ようやく清掃が終り引き渡しが遅れましたが部屋は気に入って貰えましたか?』 「あのっ!」 『いやいや本当、葉山さんはとても運がいいです。あの物件はとても格安で申し込みが殺到し「こっちの話聞けっ!!」‥‥え?』 さすが営業を仕事にしてると関心してしまうくらいペラペラと、こっちの話す隙すら与えず喋り倒す勢いの不動産屋を強引に制し 「どういう事だよっ!契約したマンションと全然違うじゃないか!」 声を荒げる俺の目の前に佇む、とてもマンションとは言えない代物のレトロな洋館。 何かの間違いじゃないかと、すぐさま不動産屋に確認したが、そんなはずない!間違いないの一点張り。 何度思い返しても不動産屋で見た写真とは違い過ぎる! .
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