歌姫の休暇事情

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「でも、いつかメリーゴーランド とか、水族館に行って、トイポップ な歌を作ってみたいな…」 そう言ったキルシュの目はキラキ ラと輝いていた。 と、時計を見て立ち上がったキル シュにハブメルは息を吐いた。 「またか?」 「うん…会いたくなっちゃうんだ 」 「あそこに行っても…」 「わかってる…行ってきます」 白い羽を広げ、キルシュは空へと 行ってしまう。 行き先は――來紋颯人が倒れた場 所。 「ミュウ…あんたに彼処を知らさ れてから毎日だけど?」 「キルリは…彼処に行かなきゃ毎 日やってられないんだよ…」 ミュウが小さく呟いた。 「あの人はまた…1人になっちゃっ たんだから…」 「だな…」 2人して息を吐く。 キルシュはいまだに探している。 どうにもならないリアルを受け入 れながら、現実をこの時間だけ逃 避して歩いている。 「どこにいるんだろうな…颯人先 生は」
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