歌姫の時間事情

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「って――なってる」 『まるで諦めたら終了だな…それ 』 六月と電話で会話しながら、ハブ メルは近状報告をした。 キルシュの真逆、六月。 梅雨 六月は遊び人であり、世界 の異端児にいる鬼だ。 『俺も情報入りしだいキルリの嬢 ちゃんに言うわ…また影に足を突 っ込んでほしくないし』 「あぁ…悪い。 ところで鵺はどうなってる」 キルシュの実家。鵺の一族。 その話しに六月はケタケタ笑うと 告げた。 『そんなの揚羽と蜘蛛と蜂鳥が暴 れておじゃんだよ よえー癖にな。ガキ苛めしてたん だ。呆気なかったよ』 「そうか…俺がいくまでもなかっ たか」 ハブメルが言えば六月は笑いなが ら言った。 『そのとーり♪ あんなの、スリッパでGを狙うよ り簡単だよ…全くな』 「なんだそりゃ…」 随分なことにハブメルは呆れた。 そこまで弱かっただろうか… そう思ったからだ。
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