歌姫の仕事事情

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「そりゃな…席が隣だからよ まぁ、気に入ってくれてるから何 よりだ」 ハブメルがニヒルに笑った。 そんなハブメルを見た後、キルシ ュはベンチの上に上がり、息を吸 うと歌いだした。 回りが驚きながらも、足を止めて 聞いている。 「ブラーチャ…たぁ 渋いの歌うな…」 小さく呟きながらもその旋律に人は増え始めた。 見知らぬ少女が歌う故郷の歌。 歌い終わる頃にはちょっとした野 外ライブ状態で、名を聞く人も多 かった。それにキルシュは答えていた。 「私はキルリ・ルーチェ 探し人を探している旅人です」
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