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旅人。確かに今、根なし草のキル
シュは旅人だ。
ずっと一緒に居たかった人と最後
まで居れなくて…次こそはと探し
ている。キルシュはごめんなさい
が欲しかった訳じゃない…ただ、
ただ…言いたかった言葉を言えな
くて、悔しくて…。
「ハブメル?大丈夫?」
「大丈夫だよ…キルリ
お前こそ…平気か?」
それにキルリは困った様に笑うと
言った。
「颯人に会うまで元気じゃなきゃ。
例え…一方通行の気持ちになって
いても…」
「キルリ…無理すんなよ」
頭を撫でてやるしか出来ない。
変わりになれない。
早く見つかれとハブメルは思いな
がらも、キルシュの頭を撫でたの
だった。
それに対してキルシュは大人しく
撫でられていた。
左中指にはまっている指輪を見な
がら。
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