16人が本棚に入れています
本棚に追加
『今は、それどころじゃ無いんだ…かまってあげられないし、此っきりの方が良いかもね…』
と、送られたメールを最後に、パタリと彼からの連絡が途絶えた。
いつもマメに連絡を入れてくれる彼にしたら、この数日の音沙汰無しからのこのメール、何か重大な事柄が起きたに違いない事は、容易に想像がついた。
まだ、日が沈み始めた時間…
(今からなら、朝迄には楽勝で着けるな…)
そう思った私は、車のキーを挿し込み、一気にアクセスをふかした。
私の家から高速のインター迄は然程遠くなく、程なくフロントガラスを過ぎる景色は、いつもの其とは変わって流れていった。
カーステレオから…
いつも二人でいる時に聴いた曲が流れていた。
その歌を聴きながら、彼の顔を思い出した。
そして、出逢った頃の記憶を辿り始めた。
最初のコメントを投稿しよう!