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『今は、それどころじゃ無いんだ…かまってあげられないし、此っきりの方が良いかもね…』 と、送られたメールを最後に、パタリと彼からの連絡が途絶えた。 いつもマメに連絡を入れてくれる彼にしたら、この数日の音沙汰無しからのこのメール、何か重大な事柄が起きたに違いない事は、容易に想像がついた。 まだ、日が沈み始めた時間… (今からなら、朝迄には楽勝で着けるな…) そう思った私は、車のキーを挿し込み、一気にアクセスをふかした。 私の家から高速のインター迄は然程遠くなく、程なくフロントガラスを過ぎる景色は、いつもの其とは変わって流れていった。 カーステレオから… いつも二人でいる時に聴いた曲が流れていた。 その歌を聴きながら、彼の顔を思い出した。 そして、出逢った頃の記憶を辿り始めた。
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