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第20章 00ユニット
純夏は1人でグラウンドをヨタヨタと走っていた。そんな姿を霞が見ながら純夏を応援していた。
「純夏さん。そろそろ帰りましょう」
霞が帰るように促すが純夏は笑顔で霞に大丈夫だと伝え走り続けていた。
「今度は・・・今度こそはタケルちゃんを私が守るんだから!」
「新しい情報だと?」
「はい。これを」
フランクルは2枚の写真を受け取る。
「ほう・・・」
フランクルは不気味に笑った。
「タケル~居る?」
「美琴か?」
「入るよ~」
「どうしたんだこんな時間に?」
「あのね・・・タケルって神宮司教官と恋人同士なんだよね?」
美琴の言葉に武は思わず吹き出してしまう。
「な!何で急にそんな事聞くんだよ!」
「答えて・・・よ」
美琴は頬を赤く染めながら武を見つめる。
「うっ・・・そ、そんなんじゃねぇよ・・・」
「本当なんだね?」
「お、おう!」
武の言葉を聞き表情を明るくした美琴はそのまま部屋を出て行く。
「何だったんだ?」
武はひとり部屋で立ち尽くしていた。
「厚木。こんなところで何してるんだ?」
「別府・・・別になにもしてないわよ」
「まぁいいけどよ。今から市ヶ谷のところに行くんだが一緒に行くか?」
「ええ。当たり前じゃない」
「いいのか?市ヶ谷には嫁さんも娘も居るんだぞ?」
「振り向いてもらえなくてもいい。ただ私は市ヶ谷のことが好きなの。家庭じゃ奥さんがいるかもしれないけど・・・私は戦場で市ヶ谷を支えることができる。
だって私は衛士だから」
「厚木・・・そうだ。香月副司令から頼まれてモンがあったんだ」
「副司令が私に?」
「これだ」
別府は厚木に一冊のファイルを差し出す。厚木は別府から差し出されたファイルを受け取り中に目を通す。
「オルタネイティブ計画・・・どうして私に?」
「お前もこの計画に正式に参加してもらう」
「でも・・・」
「市ヶ谷のそばに居たいんだろう?」
「じゃあ市ヶ谷も!」
「そうゆうことだ」
「わかった!」
「副司令・・・」
「ピアティフ。これからもしっかり頼むわよ」
「しかし・・・私は・・・」
「今更他に頼んでも役に立たないじゃない」
「副司令!」
ピアティフの目には涙が浮かんだ。
「タケルちゃーん!入るよー!」
「純夏か入れよ・・・ってもう入ってるし」
「なんだよー入っちゃいけなかった?」
「いや別に・・・」
武の反応に対してニヤニヤしながら純夏はさらに言葉をつづけた。
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