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「市ヶ谷少佐。面会です」
「面会・・・俺に?」
「はい」
「別府か?」
「いえ。女性の方ですが・・・」
「女性?」
市ヶ谷はある人物を思い浮かべたがありえないと直ぐに違う人物を考え始める。そして、市ヶ谷が考えていると面会に来た人物が現れる。
「お前・・・どうして?」
市ヶ谷は驚きを隠せなかった。
「市ヶ谷!あんた何したの?」
「厚木・・・なのか?」
「そうよ!私以外の誰なのよ!」
「どうしてこんな所に?」
「全くいつも質問ばかりね。あんたは」
「ああ、すまない・・・」
「謝ることじゃないよ。だけど、本当に捕まってるなんて知らなかった・・・」
「どうして知っているんだ?」
「別府にも聞かれたわ。直ぐに拘束されちゃって解放されるのに3日もかかったけどね」
「別府が?どうして・・・」
「私に聞かれてもわからないよ。こっちが聞きたいぐらいだって事ぐらいわかるでしょ?」
「そうだな・・・」
「因みに私は全部知ってるって言ったらどんな顔する?」
その言葉に市ヶ谷の頬を汗が伝っていく。
「香月副司令から聞いたのよ」
「副司令から?いったいどうしてなんだ・・・」
「あんたの監視って事になるのかな?」
「俺の?」
「仕方ないよ、あんたのしてた事は重罪よ?なのに、原隊復帰って相当なサービスじやない?」
「原隊復帰?」
「今日から原隊復帰よ。私付きでね」
厚木は市ヶ谷に向かってウィンクをする。
「ありえない・・・」
市ヶ谷はその場から立ち上がる事は出来なかった。
別府は影から2人の様子を見ながら笑みを浮かべた。
「厚木。お前だったら市ヶ谷を殺せる・・・」
別府は何故か嫉妬の様な感覚を覚えた。
「俺じゃ駄目なんだよな・・・」
別府は静かにその場を立ち去っていった。
「市ヶ谷よろしくね!」
市ヶ谷は溜め息をつくが直ぐに笑顔を見せた。
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