第17章 監視

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「厚木元気だったか?」 「そうじゃなきゃこんな所に居ないよ。」 「そうだな。飯でも食うか?」 市ヶ谷と厚木はPXへと向かう為に廊下を歩いているとまりもの後ろ姿を見つける。 「軍曹?」 「知り合い?」 「まぁ・・・やぁ軍曹。」 「少佐!もういいのですか?」 「ああ、おかげさまで。」 「そうですか・・・それは良かったです。」 まりもと話している市ヶ谷の横で厚木がまりもを見る。 「狂犬・・・」 「えっ・・・厚木大尉?」 「久しぶりね!元気だった?」 「お久しぶりですね。」 「厚木知ってるのか?」 「ええ。大陸でね。」 「大陸か・・・」 「中佐か・・・」 「タケル?」 「ん?ああ美琴か。」 「やっぱりタケルだ~こんな所で何してるの?」 「ちょっと考え事をな。」 「悩み?」 「まぁな。」 「タケルも悩む事あるんだね。」 「おいおい俺だって悩み事ぐらいあるぜ?」 「ふ~ん。でさ今日ね!」 「スルーかよ!」 「何が?」 「美琴お前らしいな・・・」 武は美琴に笑いかける。 「ど、どうしたんだよ~」 美琴は頬を少し赤く染めながら笑い返す。 「何でもない。ありがとな。」 武は美琴に別れを告げ夕呼の元へと向かった。 「市ヶ谷。これからしっかり私が守ってあげるから!」 「程々にな。」 市ヶ谷は厚木を軽くスルーする。それに対して厚木は市ヶ谷の横に座るとそのまま市ヶ谷の方に身を傾けた。 「あ、厚木?」 市ヶ谷は少し慌てて厚木を見る。 しかし、厚木は黙ったままで市ヶ谷を見る。 「いいじゃん・・・」 「厚木・・・」 市ヶ谷と厚木はその後一言も言葉を交わす事は無かった。
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