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「市ヶ谷。久しぶりだな。」
「別府・・・」
「市ヶ谷。ちょっと付き合え。」
「ああ、しかし・・・」
「厚木も来るか?」
「いいの?」
「構わねぇよ。墓参りだ。」
「墓参り?」
「別府・・・お前・・・」
「まだ大刀洗の野郎を弔ってねぇだろ?」
別府の言葉に市ヶ谷は笑みを浮かべた。
「そっか・・・大刀洗も逝ったんだ・・・」
厚木は少し涙を浮かべる。
「厚木。お前らしくないな?」
「だって・・・」
「厚木、お前は死んだ同期が何人居るか知ってるか?」
「数えるのはやめたよ・・・」
「やっぱりな。」
三人は一言も言葉を交わさずに歩いて行った。
「私ではあの者には勝てぬのか?勝てぬのなら理由が知りたい!」
「冥夜様・・・」
「そなたならわかるであろう!」
「冥夜様。一つわかる事はございます。」
「何だ!」
「冥夜様は今のままでは決して強くはなれません。」
「コイツの本領発揮か。」
「アイツら相手も大分飽きてきましたからね~」
「ジャップの連中に我々合衆国の力を見せてやりましょうや!」
「貴様達が合衆国を語る資格はない。」
「またお前かウォーケン?」
「貴様は軍人などでは無い!ただの殺人者だ。」
「辞めてくださいよ少佐。殺人者扱いなんてだなんて。だいたい、私たちがいつ人を殺したって言ううのですか?」
「貴様・・・」
ウォーケンの拳に徐々に力がこもっていく。しかし、そんなウォーケンの腕を掴む者がいた。
「中尉・・・!」
「少佐。もうすぐミーティングです。」
「ウォーケン。ミーティングなら仕方ねぇな。またいつか続きでもやろうぜ?」
ウォーケンが殴り掛かる態勢へと移ろうとした時に静止する声が入る。
「やめぬか騒々しい!」
「フランクル大佐・・・!」
「貴様達は日本へアメリカの誇りを背にして行くのをだぞ!」
「大佐わかってます。ただこの馬鹿がケンカを売って来ただけですから。」
ウルフはフランクルに対し笑顔で答える。
「以後は気をつけるようにな。」
「はい・・・」
ウォーケンは奥歯を噛み締めた。
「少佐・・・お気になさらないで下さい。」
「中尉。わかってはいるのだ。」
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