第18章 市ヶ谷

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「市ヶ谷。久しぶりだな。」 「別府・・・」 「市ヶ谷。ちょっと付き合え。」 「ああ、しかし・・・」 「厚木も来るか?」 「いいの?」 「構わねぇよ。墓参りだ。」 「墓参り?」 「別府・・・お前・・・」 「まだ大刀洗の野郎を弔ってねぇだろ?」 別府の言葉に市ヶ谷は笑みを浮かべた。 「そっか・・・大刀洗も逝ったんだ・・・」 厚木は少し涙を浮かべる。 「厚木。お前らしくないな?」 「だって・・・」 「厚木、お前は死んだ同期が何人居るか知ってるか?」 「数えるのはやめたよ・・・」 「やっぱりな。」 三人は一言も言葉を交わさずに歩いて行った。 「私ではあの者には勝てぬのか?勝てぬのなら理由が知りたい!」 「冥夜様・・・」 「そなたならわかるであろう!」 「冥夜様。一つわかる事はございます。」 「何だ!」 「冥夜様は今のままでは決して強くはなれません。」 「コイツの本領発揮か。」 「アイツら相手も大分飽きてきましたからね~」 「ジャップの連中に我々合衆国の力を見せてやりましょうや!」 「貴様達が合衆国を語る資格はない。」 「またお前かウォーケン?」 「貴様は軍人などでは無い!ただの殺人者だ。」 「辞めてくださいよ少佐。殺人者扱いなんてだなんて。だいたい、私たちがいつ人を殺したって言ううのですか?」 「貴様・・・」 ウォーケンの拳に徐々に力がこもっていく。しかし、そんなウォーケンの腕を掴む者がいた。 「中尉・・・!」 「少佐。もうすぐミーティングです。」 「ウォーケン。ミーティングなら仕方ねぇな。またいつか続きでもやろうぜ?」 ウォーケンが殴り掛かる態勢へと移ろうとした時に静止する声が入る。 「やめぬか騒々しい!」 「フランクル大佐・・・!」 「貴様達は日本へアメリカの誇りを背にして行くのをだぞ!」 「大佐わかってます。ただこの馬鹿がケンカを売って来ただけですから。」 ウルフはフランクルに対し笑顔で答える。 「以後は気をつけるようにな。」 「はい・・・」 ウォーケンは奥歯を噛み締めた。 「少佐・・・お気になさらないで下さい。」 「中尉。わかってはいるのだ。」
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