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「強くなったわね。」
「ありがとうございます。」
「でもどうしてこんなに強くなれたのかしら?」
まりもは黙って厚木を狙う。
「あぶなっ!」
(新型のOSは流石ね。)
「新型OSのおかげってだけじゃないわね。」
その言葉にまりもは戸惑う。
「でも、まだまだね。」
すると厚木の攻撃を避けたまりもの機体が急に態勢を崩す。
「えっ?」
まりもは一瞬何が起きたかわからなかった。
「足元見て。」
厚木に言われて足元を見るとそこには短刀が地面に刺さっていた。
「まさか・・・」
「そうゆう事ね。はい、チェックメイト。」
厚木は倒れたまりもの不知火に銃口を向ける。
「バーン。」
2番機OUT。武に連絡が入る。
「まりもちゃんが?まさか・・」
「厚木は倒したか。俺の番だ。」
武と市ヶ谷の激しい斬り合いが続く。その状況を厚木が見て呟く。
「やるじゃない。」
武はなかなか勝機を見出せないまま市ヶ谷となんとか距離を取る。また、市ヶ谷も武との距離を取り武の動きを見ようとする。
そして、武は市ヶ谷の動きを警戒しながら隠れる。
「隙がない・・・」
「さすが武君だ。隙がないな。」
しばらくの間その場を沈黙が支配する。
「推進剤は十分・・・長刀と短刀共に健在か・・チャンスは一度。やるしかないか。」
「少佐はどう動く・・・」
武は動く事が出来ずにいた。
「武君行くぞ?」
市ヶ谷の言葉に反応して武も動き出す。
「早い!」
「まだまだ!」
2人とも始めに捨てた銃の元へ向かう。
「間に合え!」
「そこまでよ。お疲れ様ね」
「武君・・・」
「市ヶ谷少佐・・・」
「「はははは!」」
演習場を支配していた緊迫感は2人の笑い声で穏やかな物へと変わっていた。
「まぁ、引き分けね」
夕呼の視線の先には銃口を互いのコックピットへ向け合う不知火と撃震があった。
皆が様々な反応を見せる。また、月詠真那もその1人であった。月詠黙ったまま演習場を見つめる。
「「「真那様?」」」
「武・・・様・・」
「「「様?」」」
月詠が呟いた言葉に神代、巴、戎の三人は驚き目を合わせる。
月詠は目を輝かせながら武の不知火を見つめていた。
「少佐・・・」
「武君。君はすごいな。」
「少佐。俺なんてまだまだです。実戦経験だって・・・何もかも、まだまだです。」
「武君。守りたいかい?」
「何を?」
「人類を・・・愛する者を。」
市ヶ谷の言葉に武は力強く頷き答えた。
「はい。」
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