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「タケル。話を聞かせてもらえぬか?」
「冥夜・・・さん?」
武は恐る恐る冥夜の方を向く。
「白銀君。私達にも話聞かせてくれるかしら?」
「委員長?いつもに増して顔が怖いぞ?」
「美琴助けてくれ!」
「ん?どうしてタケル?」
「あや・・・」
「無理」
「た・・・」
「タケルさん・・・ごめんね」
「くっ!逃げるが勝ちってね!」
「あっ!待ちなさい!」
「捕まえられるなら捕まえてみろよ」
武は笑いながらハンガー内を走り回る。
「ははは!俺はつかまらねぇ!」
すると武の目の前に1人の少女が現れる。その少女を見た武は足を止める。
「・・・純夏・・・」
「タケルちゃん。」
その少女は武に優しく声をかけて笑顔になる。
「ただいま」
武はそのまま純夏を力強く抱きしめる。
武の後を追ってきた冥夜達は武が純夏を抱きしめている姿を目にする。
「タケル・・・」
「全員集合した?」
「はい。全員集合しました」
「入って」
夕呼が促すとドアが開き武と純夏が入ってくる。全員の視線は純夏へと注がれる。
「白銀~手繋いじゃって~どうしたのよ?」
「速瀬」
武を茶化そうとした速瀬をみちるが制す。
「彼女はオルタネイティブ計画には欠かせない存在なの。自己紹介よろしく~」
純夏は恐る恐る皆の前に歩み出て口を開いた。
「あ、あの鑑純夏です。これからよろしくお願いします」
純夏はぺこりと頭を下げると武のもとへ戻る。
「そうゆう事だからみんな仲良くしてやんなさいよ」
皆が返事をすると夕呼は何かを思い出したように言葉を付けくわえた。
「鑑は白銀の彼女だから。うかうかしてらんないわよ。」
夕呼は不吉な言葉を残して椅子に座る。武は夕呼の顔を見る。
「先生・・・」
「あら?何かしら。」
武が皆の表情を伺うとニヤニヤして何か企んでそうな者から睨み付ける者それぞれであった。
(まりもちゃん、すげぇ睨んでる)
武はまりもから思わず視線を逸らす。
「えっと・・・解散?」
武が言葉を放ったと同時に皆が純夏の所に駆け寄る。
「ねぇねぇ。私達と同い年?」
「あんな奴の何処がいいの?」
様々な質問をが受け純夏は少し慌てながらも答えていく。
笑顔の純夏を見ながら武は部屋を出る。部屋を出た武は声をかけられた。
「どうした?冥夜」
「タ・・タケル!」
「お、おう」
冥夜は武に近ずくと自分の唇を武の唇に重ねた。
「冥夜・・・?」
「タケルが悪いのだぞ?」
「俺のせいって・・・」
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