第20章 00ユニット

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「そうか!御剣さんの方がよかった?」 純夏の一言に武は驚きの表情を見せる。 「純夏どうしてそんなことを言うんだよ」 武のその言葉を聞き純夏の表情が少し暗くなる。しかし、すぐに元の明るい表情に戻る。 「あれータケルちゃん何か隠してるね?」 「別に隠してねーよ」 武は純夏に背を向けて椅子に座る。すると純夏が武を後ろから抱きしめる。純夏の突然の行動に武は少し慌てるが抱きしめる純夏の手を握る。 「純夏・・・」 「見たんだよ。冥夜とキスしてるとこ」 「やっぱり・・・」 「それに悠陽ちゃんとも」 武は純夏に答える事はなくただ純夏を握る手の力が強くする。 「痛いよ・・・タケルちゃん。でも嬉しいよ」 純夏もギュッと武の手を強く握り返す。 「純夏・・・」 「タケルちゃん。多分みんなタケルちゃんの事好きだよ?」 「みんな・・・」 「うん、みんな。タケルちゃんならわかるよね?」 「でもみんなとの関わりはなるべく持たないように・・・」 「タケルちゃん。一目惚れって言う事だってあるんだよ?」 「でも!」 「相手を理解するには時間がかかるかもしれない。でも、人を好きになるのには時間なんて関係ないんだよ?」 「これは何だ?」 「市ヶ谷!それはお前には関係ない!」 「す、すまない」 「いや、こっちこそすまん」 「また後でな」 「おう!PXだろ?」 「ああ」 「わかった。後でな」 市ヶ谷が部屋を出て行くのを確認すると別府はため息をつきながら椅子に座る。 「こんなもん絶対にあいつには見せれんな・・・」 別府は手に取った封筒を机の引き出しの奥へとしまう。 別府は天井を見上げて唇を噛み締めた。 「クソが・・・」 「厚木。どうした?」 「市ヶ谷・・・」 「すまん。今部屋散らかしたままなんだが入ってくれ」 厚木は市ヶ谷をそのまま押し倒すと市ヶ谷の目を見つめる。 市ヶ谷は突然の事に目を丸くしたまま厚木を見つめる。 「あ、厚木・・・どうした?何でこんな事を」 「鈍感」 厚木は市ヶ谷の唇を強引に奪う。 市ヶ谷は厚木の肩を掴み自分から引き離し立ち上がる。 「厚木!」 市ヶ谷は厚木の頬を叩く。叩かれた頬を押さえる厚木の手を涙が伝う。 「市ヶ谷は知ってるんだよね?」 震える声で必死に言葉を絞り出す厚木に対して市ヶ谷は優しく笑いかけ言葉をかけた。
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