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「貸していただけますか!?」
「う、うん……
はい……どうぞ。」
「お借りします!」
!?!?!?
なんてことだ!!
僕の変装が解けてる!?
遥の過去~
僕は生まれ持ってのこの髪色と、目の色のせいで周りから煙たがれ、嫌われ虐められてきた。
《化け物》《怪物》《モンスター》《人のなり損ない》
この心無い言葉で僕の心は傷つけられてきた。
僕の髪色は、銀色。
目の色は、赤。
家族は、うさぎさんみたいだね 。
と言って、僕をたいそう可愛がってくれた。
でも一歩外に出てみれば……
『見て。またあの子よ?
お父様とお母様は日本の方なのになんであの子だけ銀髪の赤目なのかしらね。』
『本当にね。これだから《人のなり損ない》は嫌なのよ。』
ねぇ。
僕は貴女達になにかした?
なにか迷惑をかけたの?
迷惑をかけたなら謝るから……僕の《見た目》じゃなくて《心》を見てよ……
誰か僕自身を見てよ!
幼い俺は大人たちに、文句のひとつも言えなかった。
臆病者だった。
だから……だから……
ダカライジメラレタ。
だから、俺は中学に上がった時から変装をすることにした。
これが今の僕を保っていられる保証。
僕を保っているための鍵。
これがないと、俺は………俺は………オレハコワレテシマウ。
遥の過去END~
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