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百合子は白いレインコートに目を向けると、現実を受け入れられなくて声が出なかった。
今から百合子が通っていこうと思っていた校舎の出口に、あの女が立っていた。
〈 どうしてここにいるの?
さっきまであなたは、私の後ろにいたはずなのに…… 〉
百合子の足はカタカタと震え、百合子は自分が今、何をしていいのかわからなくなってしまった。
〈 お父さん……、お母さん……、私を助けて! 〉
顔中に包帯を巻いた女の白いレインコートは、いつの間にか赤い血で染まっていた。
そして、あの醜い顔を覆っている包帯はほつれて、今にも顔から取れそうだった。
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