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「あぁ、紹介するのを忘れてしまっていたな。私は鳳統(オオトリ スメル)。今日から茉莉のお父様になるんだよ。」
統と名乗った男性はとても若々しく、顔立ちも良く、父と呼ぶにはあまりにも不釣り合いだった。
彼は四十代だが、ぱっと見、二十代後半に見える。
「そして左から順に煌(アキ)、静(セイ)、献兎(タケト)、琉嘉(ルカ)だ。皆、僕の息子達だよ。茉莉にとってはお兄様かな?」
「おにいさま…?」
少年は首を傾げた。
「そうだよ。それに献兎と琉嘉は執事だから、困ったことがあったら二人に言いなさい。」
「えっと…ぼく…」
「今日から茉莉は僕達の家族だ。沢山甘えて良いからね。」
そして父と兄達は優しく少年に微笑んだ。
次第に少年の表情も緩んでいった。
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