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「はあん、それで私にあんたの代わりに襲われろ、と……」
撫胸は言うなりテーブルの上の6枚の写真に再び焦点を戻す。
「どれも皮膚がズタズタ。傷を見る限り、何度も同じ箇所を引っ掻かれ、最終的にこんな大怪我ってところね……。死んでないんでしょ?」
軽い推察を終えた撫胸は赤松に尋ねた。
「あぁ、つっても、全員意識不明の重体だけどな……」
「何であんたがこんな写真持ってんの?」
「俺の親父警部なんだよ。だから机の上に置いてたこれをちょっと拝借」
「盗んだのかよ……」
今度こそ撫胸はあきれ果てた。警部の資料を盗む不良息子に対してもだが、大切な写真を無防備にも机の上なんかに置いていく馬鹿親父に対しても説教をしてやりたいぐらいだ。
(これは、息子がグレたのは親にも何か問題がありそうね……)
とはいえ、だ。それでも何とかするのが万能家である。
「了解。じゃあ最高の才能と最低限の労力をを持ってこの依頼を解決するわね。」
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