閑話休題(一方その頃)

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 ところで、ここで喫茶店『工具箱』のマスターが何処まで出掛けたのか、という話をしたい。  彼は店のコーヒー豆にはかなりのこだわりを持っている。そしてその豆は上質なのに手頃な値段で買っている。  「はい。これですね。いつもありがとうございます」  サラリーマンのように紺のスーツを着込んだ二十代前半の青年が爽やかな笑顔でマスターにコーヒー豆を渡した。  イロナシ カミヒコ  色無紙彦。万能家の一人にして最高の人格者と謳われいる。  万能家はそれぞれ何かしらが特に秀でている。まず、主室撫胸の知能。そして色無紙彦の人徳。最後の一人が戦力である。  そんな最高の人徳を持つ色無紙彦の携帯電話に一着のメールが届いた。
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