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灰色の覆い被さった、ふわふわと重い空を見上げる。もう少し色が明るければ綿菓子のようにも見えるけれど、残念ながらそんな暖かみの欠片もなかった。無機質なそれは、ただそこにあった。
結局はそう。色なんてない。鮮やかさなんて、この瞳には絶対に映りやしない。
冷ややかで中途半端な暗闇の中を、ボクはフラフラと歩いていく。日の光の当たらないこんな中を行くのは、本当にただ退屈でつまらない。見に入るものは何処までも泥のような灰、灰、灰……。
くだらねぇ……!
俯いて歩を進める。どうせ何処を見ても灰色しかないんだ。何も変わりゃしないこの世界に揺られて、それでも歩みを止めないのは希望があるからでは、決してない……
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