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**土方歳三**
なんなんだ。この女は。
総司が夜中に平助と島原から帰ったと思ったらいきなり俺の部屋を開けて
「天女!天女ですよ!」
なんてぬかしやがる。
酔っ払いの言ってることなんか9割がた嘘だ。
だが、本当に奇抜な着物を身にまとった美しい少女が眠っている。
その少女を総司は抱え込んで俺の部屋へ来た。
酔っ払ってるようには見えない。
あの平助だって酔いが醒めてる。
信じざるを得なかった。
話を聞けば総司は酔っ払った三馬鹿を連れてひとりで一生懸命帰路についてた時。
ふと空を見上げればあの少女が空から、天から降ってきたそうだ。
信じられないがそれは彼女が身にまとっている奇抜な着物が物語っている。
それに雪のように白い肌。
長いまつげ。筋の通った高い
小鼻。控えめの小さな唇。
小さな輪郭。真っ黒な長い髪。
その容姿は天女そのものだった。
しかし、目覚めた時の彼女の瞳はとても天女とは思えなかった。
何も写していない。
絶望しかしらないような瞳。
時々見せる笑顔は人形のようだった。
だが、嘘はついてない気がする。
俺の句を知ってたしな………。
そんなに管理甘かったか?
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